Makurazaki France Katsuobushi Co., Ltd.

遺伝子が記憶する、変わらぬ味。

遺伝子が記憶する、変わらぬ味。

和食ブームの欧州で出会った味のしない味噌汁。すべてはそこからはじまった。

日本国内で和食離れが進む中、世界に目を向けると、ユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、アメリカやヨーロッパをはじめとする各国で「和食」への注目が高まっています。海外進出、そんな声が現実味を帯びはじめる中、和食の基本となる「だし」に関しては決して浸透しているとは言えない状態でした。美食の国、フランスにある和食レストランを視察したときに出会った、「味のしない味噌汁」もそのひとつ。これでは、間違った和食文化が世界に広まってしまう、まさにこの大きな危機感が「枕崎フランス鰹節」のはじまりでした。

本物のだし、本物の鰹節を美食の国、フランスから世界へ伝えていきたい。

フランス進出のプロジェクトがスタートしたのは2013年のことでした。和食の有するヘルシーさや繊細な味付けを求め、既にヨーロッパでは1万店を越える和食レストランが乱立するほど、人気を博していました。一方、鹿児島県枕崎市は、三百年以上も前から鰹漁が盛んで、鰹節生産量も日本一を誇ります。そして、昔の製法そのままに、いまも変わらず本物の鰹節を製造しています。本物の鰹節をヨーロッパ、世界へ届ける。そんな使命を胸に抱き、枕崎水産加工業協同組合をはじめとする関連企業10社が一丸となって取り組むのが枕崎フランス鰹節のプロジェクトなのです。

遺伝子が記憶する、変わらぬ味。

本物の味を届けるためこだわらないことに、こだわりを。

現状では、衛生・食品規制基準の違いやコスト、インフラの問題から日本の鰹節をそのまま輸出することは困難となっています。鰹節の製造過程で行う「いぶし」で「ベンゾピレン」の含有量がEU基準を超える事もそのひとつです。「製造方法を変えたら枕崎鰹節ではないのでは?」など、この問題は何度も議論されました。しかし、私たちが伝えたいのは、本物の鰹節でだしの旨味を届けること。その原点を改めて再確認した結果、フランス・コンカルノーという枕崎と似た漁港がある町に、製造工場を設立することを決意しました。もちろん、昔ながらの製造方法は踏襲しながら、欧州の規制基準をクリアする製造方法を確立させていきました。

鰹節に、だし。時を越えて受け継ぎながら新たな一歩を踏み出す。

本物のだしを、文化と共にヨーロッパへ、そして世界へ届けるのが私たちの使命です。だからこそ、昔ながらの製造方法を守りながらも、世界中の誰もが「美味しい」と納得のいく鰹節を作らなければ意味がありません。その挑戦のスタートラインにようやく立ちました。最初は和食店が中心になるかもしれませんが、徐々にローカルまで広がり、他国の料理と融合し、料理の新しい可能性が創造される。また、現地での製造方法も日々向上し、日本品質にも劣らない鰹節が世界へと発信されていく。もしかすると、日本に逆輸入ということも考えられます。私たちは、枕崎フランス鰹節を通じ、守りながら攻めることで新たな可能性を創造するため、今日もブルターニュ工場で本物の「モノづくり」に努めています。

遺伝子が記憶する、変わらぬ味。